連結納税をやさしく解説

連結納税のメリット

連結納税を導入することによるメリットは次のとおりです。


損益通算

連結グループ内に黒字の会社と赤字の会社がある場合に、連結納税を導入することにより損益通算され、納税額が減少します。


親会社の繰越欠損金の早期解消

連結親会社が赤字法人で、連結グループ内に黒字の連結子法人がある場合に、連結納税を導入することで、親会社の繰越欠損金を各連結事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができます。


子会社の繰越欠損金の損金算入

連結子会社(時価評価資産の時価評価の規定の適用を受ける連結子法人を除く)が赤字法人で、連結親法人や他の連結子法人が黒字である場合に、連結納税を導入することで、その赤字子法人の繰越欠損金を各連結事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができます。



メリットとデメリット両方になりうるもの(ケース・バイ・ケース)

連結納税導入によるメリットには上記のほか次のものもあります。ただし、デメリットにもなりうるため事前に検討が必要となります。


連結子法人に時価評価資産の時価評価

時価評価資産の時価評価の規定の適用を受ける連結子法人の保有する時価評価資産について、その子法人の連結開始(又は加入)直前事業年度において時価評価が強制されるため、含み損課税または、含み益課税が乗じる。


受取配当金の控除負債利子の計算

連結納税では、控除負債利子の計算方法が異なるため、単体納税と比較して受取配当金に係る益金不算入額が増加、又は減少する。


連結子法人株式の売却損益の修正

連結子法人株式の売却益又は売却損が減少する。


一括貸倒引当金の実績率の計算

実績率の計算で連結法人間の債権についての貸倒れ実績を考慮しないため、貸倒事跡率が増加、又は厳守する。


特定同族会社の留保金課税の課税留保金額の計算

連結納税の適用により損益通算され、課税留保金額が減少される等の影響がある。


試験研究費の計算

控除限度額の計算における税額基準額が、連結グループベースとなるため、税額控除額が減少又は増加する。


外国税額控除

控除限度額が、連結グループベースで計算されるため、税額控除額が減少又は増加する。


連結納税のデメリット

連結納税のデメリットについては、下記のページをご覧ください。

関連ページ 連結納税のデメリット




目次

連結納税制度の解説
連結グループとは
赤字法人がある場合
グループ法人税制とは
連結納税とグループ法人税制
連結納税のメリット
連結納税が有利となる場合
連結納税のデメリット
連結親法人とは
連結子法人とは
連結納税の計算の仕組み

連結納税の選択・加入・離脱
連結納税制度の選択の仕方
連結納税グループへの加入
連結納税グループからの離脱

連結納税適用後の申告等
連結納税申告書の申告方法等
連結納税適用後の事業年度
税効果会計の扱い
連結納税適用後の地方税の計算

連結納税の具体的な経理処理
連結納税と繰越欠損金の活用
時価評価資産の時価評価
貸倒引当金
受取配当金
交際費
寄付金
所得税
試験研究費等の特別控除




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